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夢をみた。
父親の大きな顔がどかんと目の前にあらわれて、びっくりして目を覚ました。
太陽の位置はまだ高くって、時計の短針は4のところを少しすぎたぐらい。
そして、また深く深く眠った。
そしてまた夢をみてはびっくりして目を覚まし、また深く深く眠った。

眠っても、眠っても、延々と眠っていられるほど身体は疲れきっているようだった。
たった6日間の大阪滞在中、時差ボケと緊張のせいで神経は固く強張ったままで、実は脳は眠っていなかったせいだ。

突然現れた私を見て、あまりの驚きに、モロッコの生霊とかなんとか言う人がいたり、
人は驚くと笑うしかないんだなと、驚かした私の方がびっくりした。

何かを自分の目で確かめたかったのだと思う。

今帰らないときっと後で後悔するかもしれないと、得も知れぬ不安に襲われた。
だけど、それはきっと自分の中でのことだけで、
結局、人に関与して何かを変えるとか、どうにかするなんて事は、
自分だけの足で独りで立っていられる人間が出来る事なのかもしれないと、
帰りの飛行機の中でずっとそんな事を考えていた。

パリでは感じることのない現実を見せつけられて、背中を定規でぴしゃりと叩かれた気がした。
背中をポンとやさしく押してくれる人もいた。

1週間前とは何も変わらないパリの家の窓から見える高い空を眺めながら、
深い海の底に沈んでゆくように深く深く眠った。

何かに惑わされることなく自分のしあわせを見つけられるような、そんな気がした。
by coCo-ni-iruyo | 2006-06-10 09:54 | パリの暮らし
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