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un homme et une femme





海を眺めながらキスをしている恋人達がいた。オンフルールでのことだ。
パリで暮らすようになって、愛し合う男と女(ほんとのところはさておき)の
あらゆるキスを目撃しているけれど、それは様子が微妙だった。
美味しい果実をしゃぶるような濃厚で情熱的なものではなく、
すれ違いざまにふいをつかれて奪われるような軽いものでもなく、
重ねられた唇の隙間からお互いの歯が少し見えたりして、
二人は実に堅く、かたまっていたのだ。。。
私が遠くから歩いてきてゆっくり真横を通過し、通り過ぎてしまって5Mほど進んだ後も、
糊でくっついたみたいな離れないその唇を、
いくどか振り向いてはサングラスごしに見入ってしまった私。(ごめんっ。。。)

私が暮らす街には、女がいて男がいる、男がいて男がいる。
愛することにかけては、まことに寛容で自由な街だ。
眩しく、繊細で危うい。
なりふり構わず直球であったり、目と目をあわせ駆け引きする事が楽しかったり。
恋をするって、人生を心豊かにすごすために無くてはならない存在だと思う。


「最後に死ぬ時はどこで過ごしていたい?」って、さっき友達に聞かれた。

大切な人がそばにいて、海の見えるところにうちがあって、
砂利のない真っ白な砂地に、遠くどこまでも歩いていけそうな広い浜辺で、
朝のお散歩、夕焼けにビール、月の下で波の音を聴く。
そんなことができたら、世界中のどこだっていいなぁーーと、本気でそう思う。
by coCo-ni-iruyo | 2006-07-08 09:33 | パリの暮らし
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