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+43  ことことパリの足音

深夜1時半。
シーンと静まりかえった台所で、換気扇のぶーんと鳴る音と鍋の中でことこと静かにゆれる豚。
そして、わたしの心音。5日前からしこんでおいた塩豚を煮ている。
興奮して心臓がぶっとびそうな時、切なくて眠れない時、
とりあえず気持ちを静めるにはこれに限る。私の特効薬だ。
ことことゆれる鍋の中で時間とともに変わってゆく様をじーっと眺める。
お肉を煮たり、スープやジャムを作ったり。
気を静めるには気持ちを集中して、丁寧に世話してやるのがいいようだ。


パリのアパートが決まった。
今朝目覚めたら、パリの友人からメールが届いていた。
「今日これからアパートを見に行ってくるから、夜9時に電話するから」と。
文面からとても焦っている様子が頭に浮かんだ。
きっと、この間の物件が彼女のバカンス中に人の手に渡ってしまったから
変な責任を感じてしまっているのかなと、ちょっと申し訳なく思った。

夜9時10分前に電話が鳴った。受話器の向こうはお昼ごはん時のパリ。
友人の声はとても弾んでいて、その声を聞くだけで
「はい、そのアパートでお願いします」と思わず言いたくなった。

で、即決したわたし

びっくりした。
友人の家から徒歩2分、スープの冷めない距離。
スープの材料をストックする冷蔵庫すら必要ない、常に新鮮な食材が手にはいる
ムフタール市場通り沿いに、そのアパートはあるらしい。
ムフタールの喧騒から逃れるように大きな門をくぐり、日本でいうところの5階、
光がたんまりはいる東に面したとこが、わたしの部屋。

1年住むことを条件に、大家さんがひとつしかないキッチンのコンロをふたつにしてあげてもいいよって。
それを聞いて、ピーピーギャーギャー叫んでしまった。
「今住んでるのは男の人で、インテリアは、かなりかわいくもなんともないからね」って。
パリに着いたらすぐに、パリの東急ハンズBHVへ行って
ペンキ買って~蚤の市で鍋や調理器具を調達して~
ソファベッドのカバーとか変えなきゃな。
話をしながらそんなことを想像していた。
頭の中爆発しそうだった。
電話を切った後ゴミ箱につまずいてひっくり返ったり、
家中うろうろして何やってんだか、何考えてんだかわからなくなった。
そんな妙な動きをしている私を尻目に、電気屋のおじさんは黙々と
我が家のパソコンをバージョンアップする作業をしていた。


塩豚がゆであがった。気持ちは落ち着いたな。
明日のお弁当は、ゆで豚をサンチュで巻いて白髪ねぎのっけて辛い味噌で食べる予定。
ほかに何作るかは、起きてから考えよ。
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by coCo-ni-iruyo | 2005-11-21 02:04 | こんな日、あんな日

+42  きたやパン

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昨夜は5時間フル完走状態、じゃれ合う犬のように仲良しの先輩と、ひさびさの恋愛談議。
深夜の2時をとっくにすぎた時計の針に、やってしまった。。。時すでに遅し。

そんな訳で、アジトではじめての朝を迎えるハメになった。
目を覚ますと、小さなソファに足をたたんで体をまん丸くして眠っていたから、
足がうっ血したようにパンパン。
立とうにも、小さな虫が足の上を這いずり回っているみたいにくすぐったくて、
気色悪いほどしびれていた。

やっとこさ起きあがってうがいして、鏡に映った自分の顔を見て仰天した。
ひどすぎる。。。。。いつのまに。。。
こんなに目じりの下にちりめん皺あったっけか、私?!
30過ぎて、化粧したまま眠ってはいけないな。。。反省。

窓の下を覗くと、界隈でも働き者と有名なパン屋のきたさんは、とっくに店を開店していた。

パン屋の朝が始まる時刻、私はというと、
目に鮮やかな真っ赤な色した120cm幅ほどのソファに、
彼の倉庫からゴソゴソ生地を拝借して、これで寝床完成!と、
深い水の中にすーっと潜ってゆくように、すでに眠りについていた。
その頃パン屋の作業場では、生地がこねられ、成型され、
ぷっくり膨らんだパン生地は、大きなオーブンの中で幸せの芳しい香りを放ってたんだろうな。
想像するだけでも、夢の中でよだれがでる。

きたさんの焼くパンは、いつもほんわかとやさしい味がする。
あっさりとした適度に弾力ある生地に、小さなチョコレートブロックがぎっしり詰まったパンは
疲れきった身体と脳を癒すには十分すぎるほど、うまい。
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by coCo-ni-iruyo | 2005-11-12 14:13 | こんな日、あんな日

+41  11月9日(晴れ)

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Photo:Galerie Tzigane

寒いんだかあったかいんだかよくわからない天候。
気付かないうちにストレスを溜めているのか、最近ずっと頭痛がひどく身体がだるい。
心の中は、秋の空のように曇ったり、晴れたり。

グデングデンに泥酔した「パリへ行きたくないよぅ~」事件から、テキーラだけは絶っている。
体調不良もあいまって、おいしくお酒は飲めないし、タバコもまずい。
にもかかわらず、不本意にタバコに火をつけ今だ禁煙できないこの有り様。
「行きたくても行けない人が大勢いるんだから。行くと決めたのはcoCoなんだから」と散々言われ。
その通り。。。
でも、そんな弱音を吐いてばかりはおれず、出発まであと約1ヶ月となってしまった。
時間軸はきっと狂っているに違いない!と思うほど、流れる時の速さに戸惑いっぱなし。
毎晩おそくに帰宅して、夜な夜なパリ生活の為のスクラップ作りに励んでいる。
テンションは少し上昇傾向にある。
フランス語は独学で始めた勉強法を押し通し、リスニングとシャドーイング中心でボチボチやっている。
日中ひとりで店番をしながら、テキスト片手に一人ぶつぶつ会話練習をしている。
店内が明るく丸見えになる夕暮れに、店の前を通る人と時々目があったりする。


数日前、パリに長く住む由美姉さんがアパートの空き物件情報をメールしてくれた。
場所は、パリ最古のデパートであるボン・マルシェや日曜日にはオーガニック市が出るマルシェ、ラスパイユ通りの近くらしい。
家賃は500ユーロ[約7万円]ぐらいでというお話。好立地にしては、かなり安い。
アパートはいかにもパリらしい古くて味わい深い外観らしく、アパートの住人はみんな仲がいいんだよって。その空き部屋の隣には、coCoの知り合いが親しくしている、姉ご肌パリジェンヌが住んでるらしい。パリ生活始めるにあたって、とにかく全くもって、どこそこの素性のわからない人はかなり敬遠されるとこだから。
誰それの知り合い=安心できるってな環境だけに、とても心強い。

由美姉さんは目下バカンス中。今モロッコに行っている。いつ戻ってくるんだろ。
条件次第では、もしかすると出発前にアパートが決まるかもしれない。
現物を見ずして決めてしまう事に少々戸惑いはあるけれど。

なんとなく直感した。いいかもしれない!と。(ような気がする、この曖昧さ。。。)
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by coCo-ni-iruyo | 2005-11-09 19:42 | こんな日、あんな日