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+94  月よう日に降る雨

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雨がしとしと降り続き、鉛色の曇がパリの上空を覆っている。
肌にざらざらと突き刺す鋭い太陽の下で、
朗らかな顔つきで歩いていた人々の足並みとはうってかわり、
なんだかキビキビと緊張感があり、怪訝そうな面持ちさえ感じられるような。。。
つい数日前まで半袖を着て、混雑のメトロで汗をかいていたのに。
パリ人の顔つきで、夏が終わり秋から冬へと
こく一刻と、物憂げな足音が近づいているのが見てとれる。

週初めの月曜日、特に雨ともなれば、ほとんどの店が閉まってしまうマレ界隈は
葬られた街みたいに、ひっそりと佇んでいる。

こんな小雨の中を散歩するのが好きだ。

いつだったか、フランス人(出身は確かギリシャだったな)が言っていたけれど、
春夏のまぶしい陽光や爛々と花咲き乱れる季節は、
言語さまざまに寄せ集められやってくる、観光客の為にあるようなもの。
本当のパリの魅力を知るには、秋から冬なんだよって言っていた。

実は私も、おんなじように感じている。

空気が乾燥してキリリと冷たくなると、湿ったところの匂いがいっそう際立つ。
ランドリーの乾燥機を開けて首をつっこんだ時、ほわっとあったまった洗剤の匂い。
地上からメトロのホームに降り立った時。

あー、なつかしいなぁ。。。冬の匂いだ!と思う。
by coCo-ni-iruyo | 2006-10-04 07:51 | パリの暮らし
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